アルコール消毒で手荒れする理由と対策は?

アルコール

季節性のインフルエンザ対策や、2020年の新型コロナの世界的な流行をきっかけに、積極的にアルコール消毒をする人が増えています。

一方で、こまめなアルコール消毒を続けたことで、手荒れが起きてしまった人も多いのではないでしょうか?

この記事では、アルコール消毒で手荒れが起こる原因や対策について紹介します。

ウイルス感染にアルコール消毒が効果的な理由

ウイルスに対して、効果があるのがアルコールですが、すべてのウイルスに対して効果があるわけではりません。
アルコール消毒による効果があるかどうかは、ウイルスの構造が影響します。具体的なウイルスの構造は、大きく分けて2種類あります。

  1.  細胞が脂質を含む膜(エンベロープ)で覆われているもの
    インフルエンザウイルス、コロナウイルスなど
  2. 細胞がエンベロープで覆われていないもの
    ノロウイルスなど

アルコール消毒で高い効果を発揮するのは、エンベロープを持つウイルスに対してです。

※アルコールは脂質の膜を壊す作用があるため、 エンベロープに覆われていないウイルスに対してアルコール消毒する場合は、長時間の接触が必要になります。

アルコール消毒によって手荒れが増える原因

アルコールによってダメージを受けるのは、手に付着したウイルスだけではありません。
アルコール消毒をすると、手の皮膚の細胞のダメージを受けます。

特に、皮膚を守る役割のある皮脂も破壊されるため、肌のバリア機能が低下する原因になります。
アルコール消毒の原理が手に悪影響を及ぼしているのです。

アルコール消毒によって、手の皮膚のバリア機能が低くなると、肌が敏感になり手荒れを起こしやすくなります。

手荒れが起こると、雑菌も繁殖しやすくなるので手荒れも含めて予防することが大切です。

アルコール消毒による手荒れを防ぐポイント

アルコール消毒で手荒れが起きないようにするために、以下のことに気をつけましょう。

ポイント① 保湿剤・ハンドクリームをつける

アルコール消毒による手荒れを防ぐには、アルコールによって失われた油分を補うことが大切です。アルコール消毒をするときは、保湿剤の塗布もセットで行いましょう。手の油分を補うには、市販のハンドクリームでかまいません。
手をアルコールで消毒した後に、手の乾燥が気になるときに、保湿剤を塗り込みます。ここで、注意したいのが、アルコール剤が乾燥していないうちに、保湿剤を塗ることです。
アルコールによる消毒は、成分が乾燥している時に効果が発揮されます。アルコール消毒の後に保湿剤を使うときは、アルコール分が乾燥してから塗るようにしてください。

ポイント② 普段から水仕事をするときは手袋を着用する

調理の仕事や花屋、専業主婦などは水仕事が多いのが特徴です。
アルコール消毒だけでなく、頻回な手洗いも皮脂が失われ、手荒れの原因となります。水仕事をするときは、ゴム手袋をして手を保護するようにしましょう。

ポイント③ アルコール消毒以外の除菌剤をつける

すでに手荒れができている場合、アルコール消毒剤つけると痛みを感じるため、継続した使用が難しくなります。一方で、人によっては手洗いが頻繁にできない状況の人もいるでしょう。
手荒れでアルコール消毒剤が使えない人におすすめなのが、次亜塩素酸水などアルコール不使用の消毒剤を使うことです。

次亜塩素酸水とは?どのようなもの?

次亜塩素酸水は、食塩水や塩酸を電気分解して作られる水溶液です。
殺菌成分である「次亜塩素酸」を含み、除菌剤として主に使用されております。
厚生労働省の資料(※1 / ※2)にもあるように、その効果は広く知られています。

次亜塩素酸水と同じように次亜塩素酸を含むのものに、次亜塩素酸ナトリウム液があります。
次亜塩素酸ナトリウム液は家庭用の塩素系漂白剤(ハイターなど)の主成分で、さまざまなウイルスの殺菌に効果があることで知られています。

名前がよく似ている次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液ですが、両者は異なる性質を持ちます。

例えば、次亜塩素酸ナトリウムが強いアルカリ性を持つのに対して、次亜塩素酸水は弱酸性の性質を持ちます。 そのため、次亜塩素酸ナトリウムは手の消毒には使えませんが、次亜塩素酸水による手洗いは安全に使うことが可能です。

次亜塩素酸水による手洗いがおすすめの人

次亜塩素酸水による手洗いは以下のような方におすすめです。

おすすめの人① アルコール消毒で手荒れができている方

ひんぱんなアルコールの手指消毒により、手荒れが起きてしまった人には、次亜塩素酸水による除菌もおすすめです。
次亜塩素酸水は弱酸性であるため、素肌に優しく、手荒れを引き起こす心配がありません。

おすすめの人② 肌が弱いまたは敏感な方

弱酸性である次亜塩素酸水は、素肌と同じ弱酸性です。アルコール消毒剤のように肌に刺激にならないので、手荒れを起こしにくいという特徴があります。

おすすめの人③ 頻回に手の消毒される方

仕事などによる外出中、手洗いがあまりできないことがあります。次亜塩素酸水を携帯していれば、気軽に殺菌効果の高い手洗いができます。

おすすめの人④ アルコールにアレルギーのある方

次亜塩素酸水はアルコールにアレルギーがあり、アルコール系の消毒剤を使えない人も、安全に使うことができます。

次亜塩素酸水による手洗いの方法

次亜塩素酸水は、汚れなどの有機物を分解する効果があります。そのため、有機物の量が多い場合、最初は高かった効果が弱まってしまいます。
次亜塩素酸水の効果を最大限に生かすにおすすめなのが、手洗いで汚れを取り除いた後に次亜塩素酸水を手にまんべんなくつけること。
具体的な次亜塩素酸水の手洗いの方法は以下のようになります。
1. 次亜塩素酸水による消毒除菌は流水で行うと効果が高いので、少し多めかな?というくらい手につけましょう。
2. ふだんの手洗いと同じように、15秒間手をもみこんできます。
3. 次亜塩素酸水の手洗いを終えたら、清潔なタオルやペーパー等で拭き取りましょう。手洗い後は、二度洗いの必要はありません。

次亜塩素酸水は手作りよりも購入がおすすめ

手の消毒に次亜塩素酸水を使うときに注意したいのが、手作りすることです。最近、注目されている次亜塩素酸水ですが、 次亜塩素酸ナトリウムと同じものと勘違いしている人も少なくありません。
家庭用の塩素系漂白剤(ハイターなど)を水で薄めても、次亜塩素酸水は作れず、かえって皮膚にダメージを与える劇薬となります。絶対に使用しないでください!

参考

次亜塩素酸水除菌ラボ編集部では、厚生労働省の提供資料および信頼性の高い論文に基づいたコンテンツ制作を行っております。

※1:厚生労働省/次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料/
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8k.pdf
※2:厚生労働省/次亜塩素酸水/
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wy32-att/2r9852000002wybg.pdf

(制作・編集:次亜塩素酸水除菌ラボ編集部)