次亜塩素酸水がお肌に優しい理由とは?

次亜塩素酸水

ウイルス感染対策のために手を消毒している人のなかには、 手荒れを起こしてしまった人もいるのではないでしょうか?
頻繁に手洗いができない状況の中で、便利な手の消毒ですが、肌にダメージを与えてしまうことがあります。

皮膚が弱い方におすすめなのが、次亜塩素酸水を使うことです。 この記事では、次亜塩素酸水が肌に優しい理由や、使い方のポイントについて紹介します。

除菌剤による手荒れが気になっている人は、ぜひ参考にしてみてください。

アルコールなど消毒剤で手が荒れてしまう理由

アルコールを使った消毒剤はウイルスや菌だけでなく、手を保護する役目のある皮脂膜も破壊します。
通常、皮膚の皮脂膜の再生には6時間ほどかかりますが、手のひらは皮脂腺が少ないため、さらに時間がかかります。
皮膚には外部からの刺激や異物の侵入から守る役目があります。
しかし、手の皮脂膜が破壊されている状態が続くと、皮膚のバリア機能が低下します。すると、異物や物質に反応しやすくなり、アレルギー症状を起こすことがあります。
さらに、皮脂が少なくなった肌は、皮膚の水分量も少なくなるので、乾燥やひび割れがみられるようになります。
手の皮膚に傷ができると、今度は雑菌などが侵入しやすくなるので注意が必要です。
消毒剤による手荒れを防ぐために、手の消毒よりも手洗いの数を増やすとともに、消毒剤をつかうときには手袋をつかうとよいでしょう。また、手の消毒後にクリームなどで手を保湿することも大切です。

次亜塩素酸水による手洗いなら肌に優しい

手の消毒が必要な場面に、手洗いや手袋が使えないこともあるでしょう。
そんな人におすすめなのが、次亜塩素酸水を使うことです。
次亜塩素酸水は、食塩水や塩酸を電気分解して生成する水溶液です。
次亜塩素酸水とよく似ている名前に、家庭用塩素系漂白剤の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム液」があります。次亜塩素酸ナトリウム液は、水で薄めて物品の消毒等に使われます。
次亜塩素酸水にも、次亜塩素酸ナトリウムと同じ殺菌成分である「次亜塩素酸」を含みます(※1、※2) 次亜塩素酸ナトリウムが強アルカリの性質を持つのに対して、次亜塩素酸水は肌と同じ弱酸性の性質を持ちます。 そのため、素肌に直接つけても肌を傷つける恐れがありません。 ※一方、次亜塩素酸ナトリウム液は肌につけてはいけないので注意してください。

次亜塩素酸水が肌に優しい理由

肌によいpHを考えるとき、「肌に優しい弱酸性」というフレーズを耳にしたことのある人も多いでしょう。
なぜ、弱酸性が肌によいかというと、健康な皮膚は弱酸性に保たれているためです。
皮膚にはもともと常在菌が住み着いてます。これらの菌の中には、いわゆる善玉菌と悪玉菌がおり、肌のpHを弱酸性に保つことで、バランスを保っているのです。
一般に、健康な肌は皮膚を洗浄しても、常在菌の力で弱酸性を保つことができます。
しかし皮膚の抵抗力が弱っている人では、肌がアルカリ性に傾きがちです。除菌剤や洗浄剤など皮膚につけるものは、弱酸性のものを選ぶと、刺激が少なく肌に優しいといえるでしょう。

次亜塩素酸水で手洗いする方法

アルコール消毒などで手荒れを起こしてしまった人や、子どもなど肌がデリケートな人におすすめなのが、次亜塩素酸水による手洗いです。
次亜塩素酸水による手洗いは、流水で使うのが効果的です。
そのため、次亜塩素酸水を使うときは、消毒剤のように少量を手になじませるのではなく、少し多めに手に取ります。
一般的な感染対策の手洗い方法と同じ方法で、次亜塩素酸水を手にもみこみます。 次亜塩素酸水の殺菌効果が得るためには、15秒ほど時間かけて手洗いをしましょう。
次亜塩素酸水による手洗いを終えたら、清潔なペーパー等で水分を拭き取って完了です。

次亜塩素酸水による手洗いの注意点

次亜塩素酸水は汚れなど有機物と接触すると、水に戻るため除菌効果が低くなります。次亜塩素酸水で手洗いをするとき、手が著しく汚れている場合は、まずは石けん等で手洗いするのがおすすめです。

注意点① 次亜塩素酸水で手洗いするときの適切な濃度

基本的に次亜塩素酸水は、家庭用塩素漂白剤のように水で薄める必要がありません。しかし、次亜塩素酸水の商品のなかには、希釈を前提として販売されているものもあります。
次亜塩素酸水で手洗いをする場合に、目安となる濃度は50~100ppmです。
100ppmの次亜塩素酸水を使って、50ppmの濃度に調節したい場合は、次亜塩素酸水と水を1:1の割合で薄めて使います。
次亜塩素酸水は時間経過ともに、有効な塩素濃度が低くなくなります。
そのため、濃度を調節するために次亜塩素酸水を薄めるときは、まとめて大量に濃度を調節するのではなく、1日分など短期間分を作るようにするのがおすすめです。
また、開封した次亜塩素酸水は保存方法にも注意が必要です。
次亜塩素酸水に含まれている有効塩素は、日光によって分解されます。次亜塩素酸水を保管するときは、直射日光を避けて冷暗所に保管し、使用期限前までに使い切りましょう。

注意点② 次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液を混同しない

次亜塩素酸水の濃度を調節するときに、誤って次亜塩素酸ナトリウム液と間違えないようにすることが重要です。次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは、名前こそ似ているのものの、性質が異なるものです。
家庭用塩素系漂泊剤の希釈液で、手洗いを行うと、化学やけどを起こすことがあります。次亜塩素酸水の濃度を調節するときは、よく名前を確認し、次亜塩素酸ナトリウムと間違えないようにしてください。

次亜塩素酸水の手洗いの効果は?購入するときの注意点

次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムと同じ殺菌成分を含むことから、ウイルスなどの殺菌効果に有効と考えられています。一方で、次亜塩素酸水の手洗いによる効果は、まだ確証されたものではありません。
最近では次亜塩素酸水と謳う商品が多くみかけられるようになり、塩素濃度にもバラつきがあるのが現状です。実際に、いくつかの検証では、ウイルスに対して「効果があった」とする結果と、そうでない結果が混在しています。
これは、次亜塩素酸水そのものも効果がないというよりも、商品によって品質にバラつきがあることが原因と考えられます。

ポイント① 用途に合ったものを選ぶ

次亜塩素酸水は用途ごとに適切な濃度があります。次亜塩素酸水を使うときは、用途に合ったものを選ぶようにしましょう。

ポイント② きちんとしたメーカーのものを選ぶ

次亜塩素酸水は生産過程で、有効塩素濃度が低くなってしまうことがあります。
手洗いに次亜塩素酸水を使いたい人は、信頼できるメーカーのものを選ぶようにしてください。

参考

次亜塩素酸水 除菌ラボ編集部では、厚生労働省の提供資料および信頼性の高い論文に基づいたコンテンツ制作を行っております。
※1:厚生労働省/次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性 に関する資料/https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8k.pdf
※2:厚生労働省/次亜塩素酸水/https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wy32-att/2r9852000002wybg.pdf

(制作・編集:次亜塩素酸水 除菌ラボ編集部)