次亜塩素酸水でインフルエンザ対策!除菌スプレーとして効果も

次亜塩素酸水

インフルエンザ予防のために、自宅や勤め先で消毒剤を使いたい人も多いのではないでしょうか?インフルエンザの消毒剤としておすすめなのが、次亜塩素酸水を使うことです。

この記事では、次亜塩素酸水の特徴やインフルエンザにおける次亜塩素酸水の効果について解説します。

次亜塩素酸水とは?

次亜塩素酸の水溶液で、塩酸または食塩水を電気分解して作られるものです。
この次亜塩素酸水は、殺菌剤として、洗浄や消毒などに使われます。
例えば、介護施設や病院などウィルス対策が特に重要な施設で使用されています。

※次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違い

次亜塩素酸水とよく似ているものに、次亜塩素酸ナトリウムがあります。次亜塩素酸ナトリウムをつかった商品には、「ミルトン」や「ビューラックス」などがありご存知の方もいらっしゃるはず。
この2つは、両者とも次亜塩素酸(HOCl)を含んでおり、強い殺菌力を持つことで知られていますが、

  • 次亜塩素酸水は弱酸性で比較的扱いやすい
  • 次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性でゴム手袋使用や混ぜてはいけないなどの取り扱いを注意する必要がある

といった違いがあります。

次亜塩素酸水の除菌効果はどれくらい?

次亜塩素酸水の持つ除菌効果の秘密が、物質の状態です。次亜塩素酸が分子であるのに対して、次亜塩素酸水での状態はイオンです。

イオンの状態では、ウイルスの細胞膜を透過できませんが、分子の状態の物質は細胞の内部に入り、タンパク質を破壊することができます。

次亜塩素酸水は、次亜塩素酸そのものよりも多くの次亜塩素酸を含むため、より高い殺菌力があります。

一方で、次亜塩素酸水の濃度は低いため有機物に触れると、殺菌の活性が低下します。この次亜塩素酸水の弱点を克服するには、流水を使いながら用いるのがポイントです。

冬に流行するインフルエンザの感染予防に次亜塩素酸水がおすすめ

インフルエンザの感染経路

インフルエンザは皆さんもご存知の通り、12月〜2月頃にかけて毎年のように猛威を振るウイルス。高熱、筋肉痛、体のだるさを発症します。
インフルエンザは強い感染力があるため、1回かかってしまうと外を出歩けるようになるまで1週間ほどかかってしまうなど被害が大きめ。
そんなインフルエンザウイルスは飛沫感染と接触感染によって広がります。

① 飛沫感染

感染した人の咳やくしゃみによって排出されたウイルスを含んだ水滴を、健康な人が鼻や口から取り込むことで起こる感染です。通常、飛沫感染は感染した人の1~2mの距離内で起こります。

② 接触感染

健康な人の皮膚や粘膜にウイルスがつくことで起こる感染です。よくある接触感染は、感染者が咳やくしゃみを覆った手で、あちこちを触ることです。健康な人がウイルスに汚染された箇所を触り、口、鼻、目などを触ることで感染します。

 

インフルエンザ予防に次亜塩素酸水を使う

インフルエンザの予防には、手洗いやうがいだけではなく、消毒剤を使ってウイルスを除去していくことも有効です。
特に、ウイルスで汚染されている部分を消毒して掃除することは、感染予防に効果的。
この拭き取り掃除に役立つのが、次亜塩素酸水です。
たとえば、厚生労働省は、机やドアノブなど感染者が接触した可能性のある部分を、希釈した次亜塩素酸ナトリウムを消毒液として、雑巾などで拭きとることを勧めています(※1)。
しかし、次亜塩素酸ナトリウムは以下デメリットが存在しています。

  1. 原液を薄めて使う必要があり作るのが面倒。
  2. 用途により効果のでやすい濃度も異なるため、いろいろ考える必要がある。
  3. 前章で記載通り使い方を間違えると、悪影響もある。

 

そのため、家庭で手軽にインフルエンザ予防・対策をするためには次亜塩素酸水を使うのもおすすめです。厚生労働省の報告でも、次亜塩素酸ナトリウムと同様に、次亜塩素酸水によるインフルエンザウイルスへの効果が報告されています(※1)。

インフルエンザの予防に次亜塩素酸水を使うメリット

インフルエンザの予防に次亜塩素酸水を使うメリットにはさまざまなものがあります。

① 多くのウイルスに有効

日ごろ、アルコール消毒をして感染予防している人も多いでしょう。
アルコールはインフルエンザなど一部のウイルスや菌には効果的です。
一方、次亜塩素酸水は、インフルエンザに加えて、主だった菌類やウイルスへの有効性が確認されています。
例えば、ノロウイルス、大腸菌O157にも効果を発揮しています。

② スプレー形式など使い勝手がよい

商品化されている次亜塩素酸水はそのままの状態で利用することができます。ミルトンやピューラックスなどの次亜塩素酸ナトリウムは、希釈した液をバケツなどで漬け込む必要があり、手間がかかります

③ 手荒れの心配がない

次亜塩素酸水は弱酸性で次亜塩素酸による塩素濃度も低いので、皮膚にダメージを与えません。次亜塩素酸ナトリウムは、強アルカリの性質を持っており、使用時に希釈する場合でも、手袋などで皮膚を保護する必要があります。
商品化されている次亜塩素酸水なら、素手でそのまま使うことが可能です。

④ 他のものに触れても問題ないことが多い

次亜塩素酸水は弱酸性なので、ほとんどの素材にダメージを与えることなく使用できます。また、使用後もすすぐ必要はありません。
一方、次亜塩素酸水ナトリウムは、金属に使うと腐食を引き起こすなど、素材の劣化が起こりやすいのが特徴です。

インフルエンザ予防で次亜塩素酸水を使うときの注意点

次亜塩素酸水は有機物を含んだ汚れなどに触れると、水に戻るため、微生物への殺菌力を失います。そのため、汚れた室内では最大限の効果を発揮することができません。
そのため、インフルエンザ対策に次亜塩素酸水を使うときは、一度掃除で汚れを取り除いてから、使うようにするとよいでしょう。
また、特定のメーカーでは次亜塩素酸水を使った空気洗浄を勧めていますが、厚生労働省では、空気中の噴射は勧めていません。ウイルスが舞い上がったり、消毒が不完全になったりするためです(※2)。

次亜塩素酸水はスプレー形式がおすすめ!

除菌効果のあるの次亜塩素酸水でもおススメなのがスプレータイプのものです。

ハンドサイズのボトルを片手で噴射できるので、ご自宅や会社におけるインフルエンザ対策の除菌剤として使えます。手軽に使えるので、スプレーだとよいです。

次亜塩素酸水を使って簡単にインフルエンザ対策を!

次亜塩素酸水にはインフルエンザウイルスを不活化する効果が認められています。特に、インフルエンザは飛沫感染や接触感染で感染が広がりやすい特徴があります。

日ごろからインフルエンザ予防をしたい人は、消毒剤として次亜塩素酸水を使ってみるのもよいでしょう。スプレー式の次亜塩素酸水は手軽に扱えるので、サッと使うのにも便利ですよ。

参考文献

次亜塩素酸水除菌ラボ編集部では、厚生労働省の提供資料および信頼性の高い論文に基づいたコンテンツ制作を行っております。

  • ※:厚生労働省/次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性 に関する資料/
    https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8k.pdf
  • ※2:厚生労働省/事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン/
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/09-11.pdf