家庭の消毒や除菌に次亜塩素酸水を使いたい人のなかには、自分で手作りしたいという人もいるのではないでしょうか?
日常的に消毒や除菌は必要なので、次亜塩素酸水を自作すればコストを下げられる気がしますよね。
この記事では、次亜塩素酸水の作り方やポイントについて紹介します。手作りの次亜塩素酸水に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
次亜塩素酸水とはどんなもの?
次亜塩素酸水は次亜塩素酸という殺菌成分を含む水溶液のことをいいます。ウイルスや細菌への殺菌効果があるとして、消毒剤や除菌剤として注目されています。
次亜塩素酸水は、塩酸や食塩水を電気分解して生成することができます。電気分解は、プラスの電極とマイナスの電極のある水槽に電気を流し、そのエネルギーによって、化学変化を起こします。
自宅で次亜塩素酸水を作る方法
次亜塩素酸水の基本的な製法は2つあります。
- 製法① 専用の機械を用いて食塩水または塩酸を電気分解して作成
- 製法② 次亜塩素酸ナトリウム水溶液を炭酸水中和して作る方法
次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)を水で薄めても次亜塩素酸水はできないので、覚えておいてください。
それぞれの特徴を以下に記載します。
製法①:専用の機械を使う場合
最近ではインターネット通販を中心に、次亜塩素酸水の生成器を購入できます。ここでは、次亜塩素酸水の生成器には、家庭用のものから業務用のものがあり、サイズにも幅があります。
自宅の消毒や除菌に大量に使うのであれば、家庭用の小型サイズを選ぶのよいと思います。家庭用の次亜塩素酸水の生成器の相場は、5万円〜10数万円です。
一方、機材がかさばる、メンテナンスコストがかかるなどのデメリットもあり導入には二の足を踏む方が多いと思います。
製法②:中和生成する場合
次亜塩素酸ナトリウム液に炭酸水を加える方法も科学的な方法としては存在します。
コストメリットが大きい一方、濃度や作り方をミスした場合に問題となることもあるため、完全に自己判断で行うことになります。
自身でphをはかるなど調整したり、本当に安全か確かめる必要もあるため、化学を専門に扱っている人でなければ、おすすめできません。
※また市販のハイターなどには別の成分が含まれているため、こちらの方法で作成することをおすすめできない理由です。
注意点:次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)を薄めて作成できません
次亜塩素酸水と名前が似ているもので、次亜塩素酸ナトリウム水(ハイターやピューラックスなど家庭用塩素系消毒剤)があります。
次亜塩素酸ナトリウム水は実際に使うときは原液のまま使用せずに、水で薄めて濃度を調節してから使用します。
次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めれば、次亜塩素酸水が作れるというのは、大きな間違いです。両者の名前はよく似ていますが、ハイターやピューラックスを薄める方法で次亜塩素酸水を作れません。
同様に、家庭用消毒剤であるミルトンも、塩化ベンザルコニウムを原料にしているので、次亜塩素酸水を作ることができません。
※もちろん、ハイターなどミルトンを薄めたものには、消毒や除菌効果があります。水で薄めて台所や床の消毒・除菌をすることは可能です。また、消毒したい物品を漬け込むなどの使い方も問題ありません。一方で、素材を傷めたり肌への刺激になったりするので、使用時に注意が必要です。
自宅で次亜塩素酸水を取り扱うポイント
専用の機器で次亜塩素酸水を作った場合、どのように保存したらよいのか気になる人もいるでしょう。
次亜塩素酸水を保存するときは、以下のことに注意しましょう。
ポイント① 清潔な容器に保存する
次亜塩素酸水は、汚れなど有機物と反応して効果を失います。自作した次亜塩素酸水は殺菌消毒した容器に保存しましょう。いったん開封したら、早めに使いけることも大切です。
ポイント② 保存場所は暗いところ
次亜塩素酸水は紫外線や熱で分解されて、効果を失います。手作りした場合は、室温の冷暗所で保存しましょう。
次亜塩素酸水の自作もナシではないが市販品のほうが楽で便利
自宅でも自作できますが、コスト面や安全面、手間の面で大変だということがわかりました。
お家で消毒や除菌に次亜塩素酸水を使いたい人は、以下に並べる背景から、市販の次亜塩素酸水を購入する方が圧倒的に楽で便利だと思います。
おすすめ理由① 安価に購入可能
次亜塩素酸水自体がそこまで高価なものでもないので、安価に購入できることも市販品を購入するメリットなのではないでしょうか。
節約のために、次亜塩素酸水を手作りしたいという人もいるかもしれません。先に説明したように、次亜塩素酸水を生成には電気分解が必要であるため、専用の機器を購入する必要があります。
次亜塩素酸水の生成器は十数万円かかるため、元を取るのにかなりの年月を要する可能性があります。
おすすめ理由② すぐに使える
消毒や除菌に、ハイターではなく次亜塩素酸水を選ぶ理由のひとつが、手軽さです。市販の次亜塩素酸水そのまま使うことができます。
ただ、次亜塩素酸水を手作りするとなれば、専用の機器で生成する必要があるため、時間と手間がかかります。
おすすめ理由③ 品質が安定している
次亜塩素酸水は酸性度にかかわらず、塩素濃度に大きな幅があります。次亜塩素酸水を生成する場合、毎回違う濃度のものができあがる可能性も。
市販の次亜塩素酸水なら、メーカーによって濃度やpHが一定に保たれています。安定的な品質の次亜塩素酸水を使うのによいでしょう。
おすすめ理由④ 保存しやすい
次亜塩素酸水は、乾燥や紫外線で殺菌効果を失います。市販のものを購入すれば、室温の暗所で1、2カ月は保存可能です。
次亜塩素酸水を購入できる場所
次亜塩素酸水はドラッグストアやインターネット通販で購入できます。
ドラッグストアの次亜塩素酸水は、ボトルタイプのものはあっても、詰め替え用の大容量がないものがあります。また、メーカーによっては、4L分などパックで売られていて、持ち帰るのに苦労するでしょう。
インターネット通販なら、自分の好きなサイズや量を選べます。また、購入による手間や労力もいらないのが特徴。
さらに、メーカーによっては次亜塩素酸水定期購入を申し込めるところも。ご自宅の消毒や除菌のメインに次亜塩素酸水を使っている人は、インターネット通販で購入するのもよいでしょう。
インターネット通販で購入するときの注意点
最近では、日用品を気軽にインターネットで購入できる時代になりました。アマゾンなどインターネット通販のメリットが、さまざまな種類の次亜塩素酸水を見つけられることです。
一方で、出品者はメーカーだけでなく、個人が取り扱っているものもあり、品質が低い可能性も。家庭の消毒や除菌に次亜塩素酸水は、メーカーの公式サイトから購入した方が安心です。
参考文献
次亜塩素酸水除菌ラボ編集部では、厚生労働省の提供資料および信頼性の高い論文に基づいたコンテンツ制作を行っております。
※厚生労働省/次亜塩素酸水/
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wy32-att/2r9852000002wybg.pdf
(制作・編集:次亜塩素酸水除菌ラボ編集部)